2017年10月12日木曜日

秘鍵


一ヶ月にわたって読んできた、
空海最晩年の著作「般若心経秘鍵」。
総括したい。

すべては比喩ではなく実在する前提で、
仏教を捉えることにしている。
そうして始めて理解できる。
信じることができる。

 一字に千理を含む。

と書くとき、
ひとつの文字の中に、1千の真理が含まれている、
とわたくしは受け入れる。
字の意味と、その意味に真理のはるかな深みがあると。
漢字ひとつひとつを侮ってはいけない。
宇宙にあまねくある理が隠れている。
 
 一字一文法界に遍じ、
 
の法界とは、全宇宙、真如のことだ。
差別のある現象界の事法界、
宇宙のありようすべて真如であるとする理法界、
現象界と実在とは一体不二であるとする理事無礙法界、
現象界が一と多との無尽な縁起の関係にあるとする事事無礙法界、
にあまねく存在する法則を含んというのだ。
それらは過去生、現在生、未来生を貫く。
だから、次の、心経のはたらきを受けよ、と空海は言う。

 真言は不思議なり。
 真実にして虚ならず。
 観誦すれば、無明を除く。 
 能く一切の苦を除く。
 即身に法如を証す。
 行行として円寂に至り、
 去去として原初に入る。

誦ぜよ。
書写せよ。
一文字一句をよく哲学せよ。
やがては密教眼(みっきょうげん)が育ち、
深旨が理解できるはずだ。
仏陀の聲と文字が其処にはある。
心経の一文字一文によって、
無知から解放され、即身の儘、
宇宙の法則にいたることができるのだから。
一文字の中の真如を掴め、と。

それにしても、
空海の言語の切れ味、
現代に失われた語彙力に、感嘆する。
朗誦に値する。











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