2017年1月18日水曜日

黄金伝説

黄玉
塚本邦雄の歌集「水銀伝説」(1961)を読む。
賢者の石は、
水銀と硫黄と銀を反応させるとできるというが。
百首のうちに、錬金術な歌は、まったく出てこないが、
歌人山中智恵子に、ひそかに霊感を与えた歌集である。
跋にこうある。

 朱から生まれ
 鉄以外のすべてと化合する
 猛毒の金属。
 その名前を
 近代詩生誕の凶ぎょうしい
 栄光の伝説に冠した。

塚本のリズムを読みながら、
丹生を捜し歩いた山師たちへ思いを馳せつ、
奥常陸の黄金伝説、をも思っていた。
若尾 五雄の鉱山民俗学「黄金の百足」(1994)を重ねて読む。
得た結論は、

 妙見山を探すんだ。
 妙見山のふもとに、
 金の地名があるなら、
 沙金が採れる。

妙見山となずけられた山は金と連関しているということ。
妙見信仰は、北極星への信仰のこと。
神道では天之御中主神のこと。
陰陽道では、鎮宅霊符神のこと。
仏教では天部に属する妙見菩薩。
こうした信仰の対象になった山だ。

奥久慈を探す。
大子町に標高390㍍の妙見山がある。
茶の里公園から西の方角に、眺めることができる。
ふもとには金沢という地名があって、
中世以前より金を産出した。

常陸太田市最奥の旧里美村には三つの妙見山がある。
折橋の標高125㍍の妙見山。
小妻の標高653㍍のリチウム原石を産する妙見山は有名だ。
その奥の里川町には標高879.6㍍の妙見山。
県境には標高870.6㍍の三鈷室山。
おそらくは空海の飛行三鈷杵、を意図している。

黄金伝説はこの地にあった。











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