2016年11月20日日曜日

山中智恵子の星のうた


昭和56年刊行の山中智恵子の歌集「短歌行」を読む。
3年間に詠んだ歌が集められているが、
やはり星の歌が圧倒的に多い。
くらしの中で、星の動きを常に感じ取っていたというべきか。
心と星のめぐりが官能的に観応しているというべきか。
不思議なうたが並んでいる。

  さくら咲く北の妙見七つ星船星みえてたゆたうごとし
  心の上たなびくものを手繰りゆく糸掛け星に春深みたり
  土師連(はじのむら)八島に降りし夏火星父の声すも杳き童謡(わざうた)
  麦の笛冴え残りたり八月のヴェガすずしく曇る方に昇らむ
  さやぎたつことばのゆゑによるべなきむらとに落ちし風の星はも
  海彦(あまひこ)をよびゐるときにシリウスを雪星といひ人の駆けゆく
  木枯らしのみちの長路に目守らなむ友よ草嶺のアルデバランを

心が鎮まると、星に気づく。

                                        (楮川ダムで欅紅葉)










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