2016年11月27日日曜日

大須賀乙字の造型美術論


さまざまな俳論を読むことで、視野が広くなるように思う。
俳句史にあって特異な位置にある大須賀乙字は、
俳句は造型美術、なのだという。
俳論「日本特有の詩形」を読む。


 俳句は、概念の配合配列をもってさまざまな情趣を暗示させる。
 外界と自己との関係を忘却し、
 外物相互の、色形上の、対照均整より起こる感情を味わう、
 「造型美術」である。

 突飛な刹那的概念融合は短詩形の特色であり、
 象形文字を借りて、一瞥直覚的に恃むとする。

 和歌は、ほぼ純粋の大和言葉によって歌われる。
 俳句は、全然資格に訴える日本式漢詩の修辞法を襲って発達した。

 言語は本来、実在的像を絵画のように直接表現できないはずだが、
 概念に分岐することで、ある程度まで実在像を写すことができる。

 したがって、
 もっぱら視覚の理解によらんとする俳句は、
 概念の配列を主となければならぬ。


最短17文字は、「視覚」に訴える視覚芸術だという。
漢字と仮名の視覚のイメージ、内容のイメージ、が重なることで、
詩的な世界が生まれる。
文字の表面と裏側のイメージの合作。
絵画的世界が出来上がる。

蕪村は画人だった。
漱石も絵を描いた。
写真家浅井慎平の俳句がなぜこれほど人気なのか。
俳画という世界もある。

言葉でつくる絵画が俳句。
だから俳句はビジュアルアート。
大須賀はそう言っているようだ。

重要だとされる大須賀の象徴論は、次の機会に。










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