2015年7月29日水曜日

偶々729




酷暑とて傍に一歩もうごかざるひたぶるきみのゐてのびゆけるわれ

幕末の蘭学者の蔵書を二十万で買ふただ学問へのひたむきさのりうつれ私に

大切なひとをうしなつたんだと声に出し叫んでよいか夏の水の迅さのなかで

滴る汗は三億年後に琥珀となるか詩人が言つたんだきつとさうなるまばゆき夏の

ひふみよとうたに鎮まることありて儀式のやうにひとり祝詞書く

ひとふさのぶだうのむらさきの諧調ここちよくみれるゆふべもありて

むらさきの木槿のはなはしづかにさけりひとかへる薄明のときにも

そばやめざしむらみちをゆくそばよりもあなたからふくかぜをしりたい

灼熱の鉄工所こそふさわしき場所か山脈に眠れる金属類が親しみてあり






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